おとがたり
朗読 : 長浜奈津子
ヴァイオリン : 喜多直毅
永井荷風
『濹東綺譚』
~玉ノ井夜想 大江匡とお雪~
8月4日(木)《函館》
8月6日(土)《室蘭》
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「お茶を入れ直そうかね。お湯がぬるい。」
「あら。はばかりさま。
ねえ。あなた。話をしながら御飯をたべる
のは楽しみなものね。」
「一人ッきりの、すっぽり飯はいやだな。」
「全くよ。じゃア、ほんとにお一人。
かわいそうねえ。」
「察しておくれだろう。」
「いいの、さがして上げるわ。」
永井荷風『濹東綺譚』より
『濹東綺譚』永井荷風
小説家・大江匡と玉ノ井の娼婦・お雪の切なくも美しい愛の物語。昭和初期の私娼街を舞台に、その出会いから別れを季節の移り変わりとともに描き出す、1951(昭和26)年に発行された、永井荷風の代表作品。
6月末のある夕方、大江は玉ノ井付近を散策する。急に振り出した大粒の雨、ひらいた傘に突然飛び込んできたひとりの女、お雪。侘しい場末の町、蚊のわめく溝際の家に住むお雪と大江は、なじみを重ね、たがいに情を深めてゆく。純朴なお雪の恋心。玉ノ井路地の迷宮を彷徨い歩く大江の複雑な心情とヴァイオリンのアルペジオが切なく交差する。季節は夏を過ぎ、やがて秋の深まる十五夜を向えるのだが、二人の行く末はいかに…。
8月4日(木) 《函館》
18:30 開場 / 19:00 開演
〒042-0932 函館市湯川町1-32-1
入場料:¥2,000
ご予約・お問い合わせ 090-3339-1281(長浜)
*件名に「おとがたり予約」、メール本文に《8/4 函館公演》《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずご記入の上、お申込み下さい。
8月6日(土) 《室蘭》
室蘭市開港150年・市制施行100年記念事業
14開場 / 14:30開演
〒051-0022 室蘭市海岸町1丁目1番9号
公演詳細のお問合せ
0143-22-1501(港の文学館)
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おとがたり
朗読とヴァイオリンの世界
女優・長浜奈津子とヴァイオリン奏者・喜多直毅による朗読ユニット。首都圏を中心に意欲的に活動を行い、市川市文学ミュージアム『永井荷風展 ~荷風の見つめた女性たち~』や都内アートスペース等で公演を行っている。北海道公演は2018年、2020年と函館・札幌・小樽と訪れ、今年初めて室蘭にて公演を行う。近年はオリジナル台本と音楽による石川啄木作品や太宰治『人間失格』の朗読公演の上演など、ユニークな活動が注目を集めている。物語の持つファンタジーを声や楽器の音を通して空間にありありと描き出すために、即興的に互いの間・抑揚・言葉に反応しながら進行するパフォーマンスは臨場感にあふれ、聴く人はまるで物語の中に居合わせるかのような印象を抱く。来場者はもとより、文学研究者からも高い評価を得ている。
桐朋学園演劇科卒業後、劇団俳優座へ。
女優として舞台に立ち、朗読や歌の世界でも活動する。
ひとり語り「朗読空間」では永井荷風、坂口安吾、泉鏡花、小泉八雲他、文学作品を朗読。
ヴァイオリニスト喜多直毅氏との朗読ユニット"おとがたり"では『濹東綺譚』他永井荷風作品、『啄木といふ奴』石川啄木、『人間失格』太宰治、『幸福の王子』他オスカー・ワイルド作品などで朗読公演を重ねる。
演劇ではロシア・ルーマニア海外公演『クスコ~愛の叛乱』歌手とモナ役、俳優座劇場プロデュース音楽劇『人形の家』では乳母ヘレーネ役を演じる。
国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。
現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。
タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、そのオリジナリティと精神性において高く評価されている。
他に黒田京子、齋藤徹との演奏や邦楽・韓国伝統音楽奏者・現代舞踏家との共演も数多い。
欧州での演奏も頻繁に行う。
我が国に於いて最も先鋭的な活動を行うヴァイオリニストの一人である。
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